GIABA「ECOWASにおけるAML/CFTと金融包摂」

GIABAによる調査レポートをご紹介いたします。


EXAMEN DE LA SITUATION DE L'APPLICATION DES MESURES DE LUTTE CONTRE LE BLANCHIMENT DE CAPITAUX RELATIVE A L'INCLUSION FINANCIÈRE AU SEIN DES ETATS MEMBRES DU GIABA(PDFファイル)


ECOWAS(CEDEAO)西アフリカ諸国経済共同体の略称で、西アフリカにおける金融包摂の現状と課題が描かれています*1

AML/CFTとタイトルに入っておりますが、専門的な内容は3章が中心です。


CGAPの文献を参照しながら、金融包摂を拡大するための西アフリカに特有の課題(défis)が整理されております(pp. 20-24)。

  • 本人確認のインフラの制限
  • 限られた政府の能力
  • フォーマルな金融機関による厳格な適用
  • インフォーマルな金融サービスの範囲
  • 国際的なパートナーと市場との連関


大きく扱われてはおりませんが、携帯電話やブランチレスバンキング(banques à distance)を肯定的に評価しています。


37ページ以降のアペンディクスでは、国別に2014年1月当時の状況が描かれています。

国によって濃淡はありますが、銀行やMFI以外の金融インフラはほとんど整備されておらず、金融セクター全体がまさに発展途上にあるようです。


付せんを立てた箇所は以下の通りです。

  • ECOWASの成人のうち、金融サービスにアクセスできるのは20%のみである(p. 4)
  • 西アフリカの金融セクターの主要な指標(p. 38)

*1:2ページの目次にはじまり、全編を通じて、校正前のドラフトのようなところがあることにはご注意ください。