GSMA「モバイルマネー業界の動向 2015年版」

GSMAのレポートをご紹介させていただきます。


State of the Industry Report on Mobile Money(PDFファイル)


毎年発行されているレポートの最新版で、2015年に観測された変化や話題となったことが描かれています。

お忙しい方のために、あらましを日本語でまとめておきます(pp. 6-7)。


・モバイルマネーは現在93カ国で利用でき、271のサービスがある
・93カ国のうち51カ国で、サービスを可能にする規制の枠組みがある
・モバイルマネー事業者は、毎日平均で3,300万件の取引を処理している
・登録された口座は4億1,100万あり、年間増加率は31%であった
・アクティブな口座は1億3,400万あった(90日ベース)
・19の市場では、銀行口座よりモバイルマネー口座のほうが多かった
・37の市場では、登録された代理店は銀行支店の10倍あった
・国際送金(IMT: international money transfer)を提供するモバイルマネーサービスは、52%増加した
・4分の3の事業者が、昨年よりモバイルマネーへの投資を増やすと回答した


下の図は、標準的なアクティブユーザーによる1ヶ月間のモバイルマネーの使途をしめすものです。(p. 43)。


これ以外で、付せんを立てた箇所は以下になります。


・国ごとの相互運用的なモバイルマネーサービスの数(p. 16)
・クロスボーダーでなされるモバイルマネー送金の回廊(p. 18)
・現金の入出金の90.5%は代理店でなされ、代理店はモバイルマネーの物理的なバックボーンである(p. 24)
・地域ごとの登録を受けたアクティブな口座数(p. 33)
・店頭(OTC: over-the-counter)でのモバイルマネー取引の成長率は減少している(p. 37)
・生体認証によるSIM登録は、ブランチレスバンキングの口座開設を促進する役割をもつと考えられている(p. 38)*1


GSMA「銀行を利用できない人々のためのモバイル金融サービス 2014年版」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150308/1425801164

GSMA「国境を越えるモバイルマネー――西アフリカの新たな送金モデル」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150412/1428830807

GSMA「モバイルマネーの代理店を正しく運営するための決定的な要因」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20151101/1446383505

GSMA「相互運用性のためのオペレーション上のガイドライン:顧客中心アプローチ」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20151206/1449408051