欧州委員会「金融サービスの提供と金融排除の予防」

欧州委員会の文書を紹介させていただきます。


Offre de services financiers et prévention de l’exclusion financière(PDFファイル)


2008年に執筆された少々古い文献ですが、ヨーロッパ各国における金融排除(l’exclusion financière)の克服に向けた様々な事柄が包括的にまとめられており、一読の価値があると感じました。

下線を引いた用語は以下のとおりです。

  • 金融利用の拡大(financiarisation)(p. 58)
  • 口座を持つ権利(droit à un compte)(p. 98)
  • マネーロンダリング(le blachiment d’argent)(p. 124)


諸所で参照されているユーロバロメーター(Eurobaromètre)という指標のウェブサイトでは、金融を含めた様々な分野における調査の結果を閲覧することができます。
http://ec.europa.eu/public_opinion/index_fr.htm

アフリカ版(Afrobaromètre)もあります。
http://www.afrobarometer.org


目次の一部を訳出しておきましたので、本文に当たるさいのご参考になさってください。


1. 序論


2. 金融排除とは何か?
2.1 何に対するアクセス?
2.2 アクセスか利用か?
2.3 異なる度合いの金融排除?
2.4 個人・家族・世帯の排除?
2.5 結論


3. 金融排除のレベル
3.1 金融排除のレベル
3.2 取引のための銀行口座が排除されるレベル
3.3 信用が排除されるレベル
3.4 貯金の不在
3.5 結論


4. 金融排除に最もさらされているのは誰か?
4.1 金融面で排除された人物のタイプの違い
4.2 移民と金融排除: 掘り下げた分析
4.3 結論


5. 金融排除の原因と結果
5.1 金融排除の原因の総括
5.2 金融排除と社会排除の関連
5.3 金融排除と過剰債務の関連
5.4 金融排除の結果


6. ヨーロッパの金融排除に関する議論の範囲


7. 金融排除に関する市場をめぐる政策
7.1 営利目的の商業的な供給者による新しい商品とサービスの開発
7.2 金融サービスの従事者と社会的な志向をもつ商業的な従事者による新しい商品とサービスの開発
7.3 「オルタナティヴ」である商業的な金融サービスの従事者(信用組合マイクロファイナンス実施機関を含む)と非営利の機関による新しい商品とサービスの開発
7.4 営利を目的とした金融サービスの商業的かつオルタナティブな提供者による信用分野の新しい商品とサービスの開発


8. 金融排除の実践にかかる自発的な憲章と法典


9. ファイナンシャルインクルージョンの促進のための政府の介入
9.1 促進をうながす政府
9.2 立法を行う政府
9.3 公的アクターの指標


10. 推奨策と結論
10.1 金融排除に関する国内の議論
10.2 取引のための銀行サービス・信用へのアクセス・貯金・利用の困難に関わる政策的な対応
10.3 ファイナンシャルインクルージョンを促進するための一般的な推奨策


11. 文献一覧
11.1 別表
11.2 国別の報告(ステージ1)
11.3 国別の報告(ステージ2)
11.4 中間報告