ファイナンシャルインクルージョン・ビットコイン・電子貨幣
CGAPの最近の刊行物のうち、興味深く読むことができたものを3点ご紹介いたします。
- 1. ファイナンシャルインクルージョンを計測するための10の役立つデータソース
- 2. ビットコイン vs 電子貨幣
- 3. CGAP 2013年年次報告書
ファイナンシャルインクルージョンに関するデータベースが、需要側と供給側の区分に応じて5つずつ紹介されています。
本ブログでまだ紹介できていないものもありますが、有名どころが押さえられており、まとめのエントリとして重宝することができそうです。
昨年あたりから、欧米の一般的なメディアでも頻繁に取りあげられるようになったビットコインと電子貨幣の違いを考察する短い論考です。
インターネット上で流通する電子貨幣にはさほど詳しくないのですが、これまでの経路によらない金融サービスという技術的な特徴こそ一見似通っているものの、「ビットコインが銀行を利用できない人々に到達するにはまだ長い道のりがある」(p. 4)という直感を裏付けることができました。
文中で参照されている欧州中央銀行(ECB)の文献"virtual currency schemes"では、Second Lifeにおける通貨であるリンデンドルを含め、さらに詳細な分析がなされているようです。
CGAPのアニュアルレポートで、「貧しい人々の生活を改善するためにファイナンシャルインクルージョンを推進する」というサブタイトルの付されたものです。
零細起業家に対するマイクロクレジットの供与はほんの小さな要素に過ぎず、従来の意味でのマイクロファイナンスから、数十億人の人々に金融サービスを提供していくファイナンシャルインクルージョンというより広大な概念へと、ドナーや開発金融機関(DFI: Development finance institutions)の認識が進化したことがのべられています(p. 22)。
コンテストに入選した写真が随所に散りばめられており、美しい装飾のレポートに仕上がっていることも特徴といえるでしょう。