ファイナンシャルインクルージョンの暗黒面
next billionのエントリを紹介いたします。
2013年に南アフリカでFinScopeがおこなった調査にもとづいた問題提起です。
あくまで統計的なデータのうえでは、かの国でフォーマルな金融サービスの普及が着実に進行しており、これまでは排斥されてきた人々がその恩恵にあずかるようになったことがしめされている一方で、実態的にはそのような状況は訪れていないといいます。
貸付・保険・預金・貯蓄などさまざまな金融取引において、金融機関が優位にたつ力関係や顧客の金融リテラシーの乏しさ(financial illiteracy)が原因となり、顧客の債務不履行や、過剰債務におちいった顧客の保険への過剰な加入など、幾多の問題が発生しているようです。
論点そのものは、数年前に巻きおこったマイクロファイナンスに対する大規模な批判を彷彿とさせる内容ですが、ファイナンシャルインクルージョンに対しても、量的なデータからはみえてきづらい実際のユーザー行動を踏まえた評価がなされるべきでしょう。