変革的なブランチレスバンキングを規制する―金融へのアクセスを高める携帯電話とその他の技術

2011年、明けましておめでとうございます。

今年も、ブランチレスバンキングの知名度を高めるために様々なことに取りくんでいく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。


今回は、ブランチレスバンキングに対する規制について書かれたレポートを紹介させていただきます。

ブラジルにおけるブランチレスバンキングと消費者保護」をご紹介したときにも書いたとおり、ブランチレスバンキングを実施するうえでは法律や規制の問題がつきまとってきます。

代理店に対する監督・ブランチレスバンキングの法的な位置づけ・消費者保護の仕組み・サービスの相互運用性など、興味深い話題がいくつも取りあつかわれており、ブランチレスバンキングにこれだけの問題があるということを知るためにふさわしいレポートです。


『変革的なブランチレスバンキングを規制する―金融へのアクセスを高める携帯電話とその他の技術』
ティモシー・ライマン(Timothy Lyman)、マーク・ピッケンズ(Mark Pickens)、ディビッド・ポーティオス(David Porteous)



◇背景

・(伝統的な金融に対し)付加的なブランチレスバンキング 対 変革的なブランチレスバンキング

・変革的なブランチレスバンキングの技術

・銀行ベースのモデル 対 ノンバンクベースのモデル

・支払いサービスを超え総合的な金融サービスへ?

・規制の対象となる領域と調整を失敗するリスク

・現状の推移の早い文脈のなかで、ブランチレスバンキングに対する適正な規制アプローチを構成するものは何か?


◇変革的なブランチレスバンキングを規制するために鍵となる事項

・必要としているが十分ではない状況

・代理店

・AML/CFT

・現在について考えるための次世代の話題

・Eマネーとその他の価値保存装置

・消費者保護

・支払いシステムに対する規制

・競争


◇ブランチレスバンキングに対する政策の最前線からの推奨策

政策立案者と規制者に向けたプロセスに関する推奨策

・第一の原則として均整をもちいること

・緊急の需要に対する規制のギャップを考慮すること

・当局間の調整と協力を引きだすプロセスをつくること

・政策立案者・規制者・関連業界の当事者の直接的な関与を引きだすこと

・新たなモデルとアプローチの特徴や規模に関する最新で信頼しうるデータを収集するためのプロセスを実行すること


政策立案者と規制者のコンテンツに関する推奨策

・ノンバンクの小売販売店が代理店として業務を遂行することを認め、許容しうる代理店の幅や認可を受けた関係の種別に課されるあらゆる制約に熟慮をもって臨むこと

・リスクにもとづき採択されたAML/CFTアプローチを、代理店を通じて処理される遠隔地取引の実情に対応させること

・小売の支払い・Eマネー・その他の価値保存装置と銀行預金の法的な境界を明瞭にすること

・定義づけられた用語をもって、ノンバンクの参加を許可する電子的に保存された価値に対する規制のカテゴリーをつくること

・小売代理店・苦情処理・価格の透明性・顧客のデータのプライバシーといった問題をカバーする頑強でありながら単純明快な消費者保護のメカニズムをつくること

・今日において実現しうる程度の競争の見通しと、相互運用性というゴールに到達するための術を構想すること