IIF・CFI・ACCION「金融包摂のビジネス−−新興市場の銀行からの知見−−」
国際金融協会(IIF: Institute of International Finance)が公開しているレポートをご紹介いたします。
The Business of Financial Inclusion: Insights from Banks in Emerging Markets(PDFファイル)
金融包摂を進展させるうえで、これまでは過小評価されてきた銀行の役割に光を当てようとするレポートです。
銀行がビジネスとして金融包摂に取り組むために、特に価値がある領域は以下の7つです(p. 9)。
- G2Pなどのデジタル決済
- 銀行を十分に利用できない人々に対するデータの活用
- 抱き合わせ販売
- 商品利用の改善
- 銀行主導のパートナーシップ
- デジタルIDの活用による遠隔地からの口座開設
- デジタルバンキング
同ページには、銀行が金融包摂のビジネスに乗り出すうえでの支障も7点掲載されています。
- 信用の欠如
- 金融リテラシーやデジタルリテラシーの欠如
- 代理店ネットワーク
- プライバシーやセキュリティやコストなど、データを分析するための様々な問題
- プライシングやKYC要件など、規制上の論点
- 政府組織との調整不足
- インフラの欠如
支障の4番目と5番目に関わるところで、世銀では、公的な身分証明書を持たない15億人の人々のために、ID(identification)へのアクセスを改善しようとする分野横断型プログラムが進行しているそうです。(p. 18)
CGD「金融包摂と金融完全性のバランスを保つ」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20160515/1463318544
Accenture「インクルーシブなバンキングを目指すいくつもの理由」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20160214/1455450894
Accenture「新興経済の銀行がインクルーシブになることでいかに収益を上げつつ成長できるか」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20151213/1450014172