BCBS「効果的な銀行監督のための主要原則を金融包摂に関連する金融機関への規制と監督に適用するためのガイダンス」

BCBS(バーゼル銀行監督委員会)が公開している諮問文書をご紹介いたします。


Guidance on the application of the Core principles for effective banking supervision to the regulation and supervision of institutions relevant to financial inclusion(PDFファイル)


多くの各国政府がファイナンシャルインクルージョンに政策上の優先順位を割り当てている近年の情勢を踏まえ、2012年に改正された銀行規制のための主要原則(the Core Principles)をグローバルな金融包摂のために再解釈しようとする文書です。

様々な潜在的なリスクを抱えはするものの、金融イノベーションと金融包摂は、金融システムの安全性・健全性・完全性(integrity)に寄与するものであることが明言され(p. 1)、リスクを適切にコントロールしながらシステム全体へのプラスの効果を引き出すことが意図されております。

各国の政府や規制当局にグローバル標準への適応を求める非常にハイレベルな文書ですが、やがては自国や自社にも適用されるであろう最先端の議論を知っておくことは、民間の金融機関にとっても有意義なことでしょう。


大きなところで付せんを立てたのは以下の二箇所です。

アウトソース先の第三者が開発した代替的な信用スコアリングやスクリーニングモデルの利用の増加(p. 20)

数多くの小規模金融機関を監督するための集合アプローチ(The collective approach)と補助監督アプローチ(auxiliary supervision approach)(pp. 45-47)