GPFI「グローバルな基準設定機関と金融包摂:展開しつつある展望」
GPFIが公開しているレポートをご紹介いたします。
Global Standard-Setting Bodies and Financial Inclusion - the Evolving Landscape(PDFファイル)
フィンテック、フリーミアム、クラウドファンディング、ブロックチェーンといった新しいプロダクトやサービス提供の新しい形態を踏まえ、世界中の基準設定機関(standard-setting bodies)にとっての重要な課題がテーマごとに記されています。
ファイナンシャルインクルージョンに関連するグローバルな基準をどこまで適用すべきかという、実務上の当局からの期待水準を規定する「均整(proportionality)」の概念が前面化されていることが大きな特徴でしょうか(p. xiv)。
個人的に興味深く読めたのは、複数の基準設定機関にまたがる論点をまとめたIV章で、以下のテーマが検討されています。
- A. デジタル金融包摂−機会とリスク
- B. インクルーシブな金融顧客保護の最前線
- C. 競争と相互運用性
- D. 顧客確認とプライバシー
- E. クラウドファンディング−伝統的な金融仲介を飛び越える
- F. de-riskingと金融排除
- G. 監督と金融包摂に関わる新たな論点
付せんをたてたのは以下の箇所です。
金融や開発はもちろん、通信やその他の技術についても、グローバルなレベルでの標準や基準の策定が必要なようですね。
- 「金融包摂」の新たな作業上の定義(pp. 3-4)
- デジタル金融包摂モデルの主要な構成要素(p. 45)
- 主要な技術基準設定機関(pp. 52-53)
- デジタル金融包摂が提起した効果的な顧客保護上の課題(pp. 55-56)
- 金融包摂に関連する技術基準の設定(pp. 109-111)
銀行のde-riskingと金融包摂の後退
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20160111/1452503271
BCBS「ファイナンシャルインクルージョンに関する金融機関に対する規制と監督の実際」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150405/1428235498
CGAP『マイクロファイナンスに対する規制と監督の指針』
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20130504/1367660212
CGAP「デジタルファイナンスにおけるイノベーションのグローバルな展望」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150809/1439124054
CPMI・世銀「ファイナンシャルインクルージョンの決済面」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20150928/1443444064