Accenture「インクルーシブなバンキングを目指すいくつもの理由」

アクセンチュアが公開しているレポートをご紹介いたします。


Billion Reasons to Bank Inclusively(PDFファイル)


銀行がファイナンシャルインクルージョンに積極的に取り組むべき理由として、次のふたつが挙げられています(pp. 4-5)。

  • 3,800億ドルの収入増
  • “banking for good”の実現による社会的配当(social dividend)

3,800億ドルの内訳は、零細・中小企業向けの貸出・手数料収入が2,700億ドル、個人からの収入が1,100億円ドルとのことです。

この見通しの前提には、世界的な中間層と支出の増加が長期的に継続するという予測があります(p. 8)。


銀行を利用できない人々(the un/underbanked)を顧客ととらえ、セグメント別にビジネスのアクターを整理したのが次の図です(p. 11)。

すぐ後の表では、銀行がパートナーシップを結ぶことのできる候補として、各アクターの役割が描かれています(p. 13)。

政府や開発機関やNGOやMFIや代理店などおなじみのアクターに加えて、モバイルベンチャーやインターネット企業が新勢力(new entrants)として分析されています。


下の図は、顧客確認(KYC)・信用査定・信用保証・現金処理の段階ごとに、ローンの申し込みプロセスをパートナーシップとテクノロジーが効率化するさまを表しています(p. 15)。


レポートの最後には、”Banks take the lead”という力強いメッセージが掲げられています(p. 19)。

ファイナンシャルインクルージョンを主導していこうとする銀行があれば、ぜひ記事にしたいと思いました。


Accenture「新興経済の銀行がインクルーシブになることでいかに収益を上げつつ成長できるか」
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20151213/1450014172