EIU「グローバル・マイクロスコープ 2015」

2016年の冒頭に、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによるレポートをご紹介いたします。


Global Microscope 2015: The enabling environment for financial inclusion(PDFファイル)


「ファイナンシャルインクルージョンを可能にする環境」という副題がつけられたレポートで、以下の12の指標をもとに各国の環境がスコアリングされております。

  1. ファイナンシャルインクルージョンのための政府の支援
  2. ファイナンシャルインクルージョンのための規制監督上の能力
  3. プルーデンシャルな規制
  4. 信用ポートフォリオに対する規制監督
  5. 預金受入活動に対する規制監督
  6. 低所得層の人口を対象とする保険に対する規制
  7. 支店と代理店に対する規制監督
  8. 規制を受けない貸し手に対する要件
  9. 電子決済
  10. 信用報告システム
  11. 市場コンダクトルール
  12. 苦情に対する償いと紛争調停メカニズムの運営


たとえば、9つめの電子決済の副指標である「デジタル金融サービス」は、「eマネーや同様のデジタル金融サービスに対する規制は適切なもので、市場を抑制していないか?」という問いに4段階で評価を下すというものです。(p. 149)。


ランキングでトップ10に輝いたのは以下の国々です(p. 10)。

  1. ペルー
  2. コロンビア
  3. フィリピン
  4. インド
  5. パキスタン
  6. チリ
  7. タンザニア
  8. ボリビア
  9. メキシコ
  10. ガーナ


ガーナを解説したページ(pp. 116-117)では、昨年7月に中央銀行(Bank of Ghana)がeマネーに対するガイドラインを刷新したことなど、ここ数年の規制の動向が記されております。


エコノミスト・インテリジェンス・ユニット『マイクロファイナンスのビジネス環境に対する各国への調査 2012』
http://d.hatena.ne.jp/branchlessbanking/20130304/1362403322