『スマートフォンとモバイルマネー――デジタル・ファイナンシャルインクルージョンの次世代』

GSMAがこの7月に公開したディスカッションペーパーをご紹介いたします。


"SMARTPHONES & MOBILE MONEY: The Next Generation of Digital Financial Inclusion"(PDFファイル)


タイトルの通り、スマートフォンの普及により、開発途上国のモバイルマネーが洗練されたものになることが論じられています。

サブサハラアフリカとラテンアメリカを中心に、40ドルのNokia 220や25ドルのZTE Open Cなど安価な製品が、スマートフォンの普及の起爆剤となっているようです。


スマートフォンの利用により、モバイルマネーのユーザーフェースはリッチになり、機能は高められるといいます。

金融リテラシーの乏しいユーザーのために口座ごとに貯金の目標を設定してその進捗をビジュアライズしたり、地図上に近くにある代理店をプロットしたりといったことが専用のアプリから可能になっているようです。

信用履歴(credit history)に欠ける個人の顧客の信用を計測するためエアタイムの購入の実績を分析したり、ユーザーに代理店を評価してもらい流動性管理に活かしたりと、データを取引に積極的に活用しようとしています。

こうした動きは、決済や送金のプラットフォームを提供する世界的なインターネット企業にとっての大きなビジネスチャンスとしてとらえられています。


個人的に興味深かったのは、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)におけるパーソナルなつながりを融資の担保(collateral)として役立てようとするLenddoというサービスです(p. 8)。

SNS上のソーシャルキャピタル(social capital)を信用スコアの評定に利用し、マイクロファイナンス自助グループモデルをオンラインで実現するものだといいます。

フィリピンのサービスということで、日本人のそれとははっきり異なる友人や金銭に対する感覚があるようです。


フランスの廉価版スマートフォン「Wiko」 - ブランチレスバンキング研究会