『マイクロファイナンスの落とし穴 2012』

本日は、金融イノベーションのための研究センタ―CSFI: Centre for the Study of Financial Innovation)による、マイクロファイナンスが直面するリスクを取りあげたレポートを紹介いたします。


"Microfinance Banana Skins 2012: The CSFI survey of microfinance risk"(PDFファイル)


原題のバナナスキン(banana skins)は、つまずきの原因となる落とし穴(リスクの諸要因)といった意味で、世界中のマイクロファイナンスの当事者に対するアンケート調査が分析されています。

ここでいうマイクロファイナンスの当事者は、実践者・投資家・規制者などの5種類からなり、地域ごとに分けられています。

次のランキングは、当事者の種類と地域を総括し、マイクロファイナンス潜在的なリスクに順位をつけたものです(p.7)。


マイクロファイナンスにまつわるリスクの全般的な傾向がうかがえるほか、分析のなかにインタビューの対象となった当事者たちの発言が散りばめられていることが特徴です。


以下、付せんを立てた箇所を記しておきます。

  • 信用調査機関(credit bureau)は顧客の過剰な債務の問題に対する解答になりうるか?(p.26)
  • 経営はいまだ遅々としている(p.28)
  • 実際には顧客について何の手がかりも持っていないのに、多くのマイクロファイナンスの提供者は、自分たちが顧客と近しいという幻想を抱いている(p.33)
  • 度を超した資金の提供はダメージを生じさせる(p.44)