"Securing the Uncharted Territory: Transaction Receipts in Branchless Banking"

本日は、インドにおけるブランチレスバンキングのユーザー行動を取りあげた論文をご紹介いたします。

Ekoというインドの金融サービスを題材に、フィールドにおけるユーザーへのインタビュー・ユーザー行動の観察・統制された実験をおこなったものです。

ブランチレスバンキングを利用するユーザーが、取引のレシートをどのように処理しているかが詳細に分析されています。

3節「実際のシステムにおける悪用と詐欺」（p. 3）に記されているとおり、ブランチレスバンキングの実際の運用にはさまざまなリスクがつきまといます。

インドの農村部のユーザーが使う携帯電話には、小さく解像度の低い画面・少ない記憶容量（メールを20通しか保存できない！）といった制約があり、紙のレシートがSMSによる口座の照会をおぎなうものとして使われているといいます。

学術的な内容でありながら、ユーザーの行動が生き生きと描かれており、ブランチレスバンキングを安全に使ってもらうための制度やシステムの設計について示唆を与えてくれる論文です。