「ブラジルにおけるブランチレスバンキングと消費者保護」

金融事業を実施するうえで、法律や規制の問題を避けて通ることはできません。お金の悪用を防ぐために金融機関の業務に縛りをかけることは不可欠ですし、そこで働く従業員にはコンプライアンスの精神に基づいた行動が要求されます。開発途上国の人々に近代的な金融サービスを届けるブランチレスバンキングも、この種の問題とは真摯に向かいあっていかなければなりません。


今回紹介するレポートは、ブラジルにおけるブランチレスバンキングを事例として、ブランチレスバンキングに必要な法律や規制について論じたものです。コンプライアンスオンブズマンといった概念を引きあいに出しつつ、ブランチレスバンキングを実施するうえでの監査や法の施行に関する提言がなされています。


法律や規制のことには全くの素人ですが、よくまとまっていると感じたのでここに紹介させていただきます。訳語に誤りがあれば、コメント欄で教えていただければと思います。


「ブラジルにおけるブランチレスバンキングと消費者保護(Branchless Banking and Consumer Protection in Brazil)」
ブラジル中央銀行貧困層支援諮問機関(CGAP)

要旨(一部):
 ブラジル中央銀行とCGAPは、データと情報を収集し、当レポートを書くために密に連携してきた。当レポートは、第一節で、代理店(agent)ビジネスの現状を概観する。次節では、ブランチレスバンキングのうえでの肝要な点を強調しつつ、金融における消費者保護のための法律上・規制上の枠組みの最も重要な論点について要点を述べる。しかる後に、ブランチレスバンキングの顧客と事業者とのあいだに生じた問題と、監査や法の施行のさいに留意すべきことを述べる。最後の節では、技術革新への開放性とブランチレスバンキングを実施するさいの消費者保護のバランスを保つための結論と奨励される施策を提示する。


目次:
1. ブランチレスバンキングのビジネスと規制
1.1 ブランチレスバンキングのビジネス
1.2 代理店に対する規制


2. 金融における消費者保護のための枠組み
2.1 消費者保護コード
2.2 消費者保護のルールと基準
2.2.1 価格の持続性、透明性、開示
2.2.2 顧客の資金の保護
2.2.3 顧客の個人データの保護
2.2.4 マーケティング
2.2.5 顧客サービスと苦情への対応


3. ブランチレスバンキングと消費者保護
3.1 規制のアプローチ
3.2 代理店ビジネス特有の消費者の問題
3.3 ブランチレスバンキングの利用者に影響を及ぼすその他の論点


4. 監査と法の施行: 予防的・修正的措置


5. 結論と奨励される施策