ファイナンシャルインクルージョンのトレンド 2015
ファイナンシャルインクルージョンの昨今の動向をとらえた記事を2本紹介させていただきます。
当ブログでよく取りあげているデジタル送金や、Lending ClubがIPOを果たしたクラウドファンディングなど、フィンテック回りの話題が非常に盛りあがっているようです。
Eight trends that will impact financial inclusion in 2015
http://blogs.afi-global.org/2015/01/20/eight-trends-that-will-impact-financial-inclusion-in-2015/
Financial Inclusion Trends and Innovators – 2015
http://cfi-blog.org/2015/01/20/financial-inclusion-trends-and-innovators-2015/
全般的な傾向をとらえた前者のあとで、個々のサービスを紹介する後者の記事を読んでいただくと分かりやすいと思います。
AFIの記事で挙げられているトレンドとは次のものです。
- 1. ラテンアメリカ以外でも広がるエージェントバンキング
- 2. 国家によるリテールペイメントに関する法規制の新たな変化
- 3. 電子的な支払いを推奨する政府
- 4. 新たな金融プレーヤーの勃興
- 5. 新たなデジタル金融サービスのパートナーシップ
- 6. 転換点を越えたスマートフォンの普及率
- 7. さらに競争力のある送金オプション
- 8. ファイナンシャルインクルージョンに照準するグローバルな支払い事業者
4つ目や5つ目のトレンドに関わるものとして、後者の記事を興味深く読むことができました。
とくに面白かったものをリンク付きで紹介させていただきますね。
信用履歴(credit history)に乏しい顧客の与信上のリスクを測定するために、公共料金や携帯電話の支払いのデータを利用しようとする試みとして、以下のものが挙げられています。
- 東アフリカのFirst Access
- チリのDestacame
- イギリスのAIRE
- 東アフリカのKopo Kopo
さらに、携帯電話のパーソナルファイナンスツールや金融IQを高めるためのオンラインのコースも紹介されていました。
- グローバルのJuntos
- アメリカのRevolution Credit
日本でもスマートフォンの家計簿アプリが脚光を浴びていますが、金融リテラシーの向上は、成熟市場と新興市場のどちらにおいても、サービスを健全に使ってもらうための要件となります。
金融サービスの新たな経路の提供の次なる課題として、データの活用によるリスクのモデリングや、金融リテラシーの向上によるサービスの的確な利用が、ファイナンシャルインクルージョンの拡大という目標のもとで取りざたされているようです。