マッキンゼー「銀行を利用できない人々のための新しい信用リスクモデル」

近々のMcKinsey Quarterlyに掲載されている記事をいくつかご紹介いたします。


New credit-risk models for the unbanked


データを大規模に収集し解析することで、銀行が効率的に顧客の情報を把握できるようになる姿が描かれています。

携帯電話の事業者や政府と銀行が連携し、伝統的な金融をはるかに上回る量のデータを分析することにより、顧客のアイデンティティに加え、返済の能力や意思を確認できるようになるそうです。

データの効果的な利用は、伝統的な消費者向けの金融ともマイクロファイナンスとも異なる新たな道であるといいます。


Ratings revisited: Textual analysis for better risk management


こちらの記事では、Amazonのようなショッピングサイトのユーザーによる評価や、twitterの発言などの膨大なテキストデータ(textual data)を、顧客の企業に対する銀行の格付(rating)に反映させる着想が語られています。

過去の経営の成績をもとに銀行がおこなう格付は後向き(backward-looking)であり、財務データのみにもとづく単純(simplistic)なものです。

感情分析(sentiment analysis)という方法が確立されれば、生成されたばかりのテクストデータを自動で収集・分析し、信用リスク管理を精緻なものにすることができるといいます。

質的なテキストデータを解析する感情指標(sentiment index)をどうやって開発するのかという疑問や、とりわけ顧客が個人やオーナー企業の場合、プライバシーや個人情報の問題が懸念されますが、話題として押さえておくべきものでしょう。



Four innovative ways Asian banks can create actionable insights from customer data


アジアの銀行が顧客のビックデータを有効に活用するアイデアがしめされています。

顧客をセグメントに分け、多数のチャネルから接近することでクロスセールを増やし、顧客の満足を高めるためにデータが有用であるとのことです。