J.P.モルガン・CGAP『グローバル・マイクロファイナンス・バリュエーション・サーベイ 2011』
本日は、J. P. モルガン(グローバル・エクイティ・リサーチ)とCGAPの連名によるレポートを紹介させていただきます。
"Discovering Limits: Global Microfinance Valuation Survey 2011"(PDFファイル)
マイクロファイナンスに関連する株式を評価するベンチマークで、金融機関の財務指標に対しマクロ的な分析がなされています。
インド・カンボジア・モンゴル・ニカラグア・ペルー・ボリビア・タンザニア・ナイジェリアなど、マイクロファイナンスに対する投資の動向が国ごとに分かります。
分析されているデータは次のふたつです。
- 2005年から2010年にかけて53カ国でなされた、マイクロファイナンス実施機関(MFI: Microfinance Institution)に対する238件のプライベートエクイティ取引
- 市場でなされた低収益の金融機関(LIFIs: Lower Income Financial Institutions)の取引
さらに、読みながら付せんを貼ったところを引用しておきます。
- マイクロファイナンス投資では、プライマリー(発行市場)よりセカンダリー(流通市場)のほうが勢いがある。2010年には、流通市場は70%近い成長を遂げた(p.11)
- 顧客サービス・中小企業への融資・支払い・貯蓄・保険を提供する低収益の金融機関は、開発途上国ではマイクロファイナンス実施機関と同様の事業を展開しているものとみなせる(p. 17)
- 2003年11月に生まれた低収益の金融機関に関する指標(LIFIs index)やモルガンスタンレー世界金融指標(Morgan Stanley Capital International and the World Financials indexes)などのデータによれば、パフォーマンスの面で低収益の金融機関はグローバルな金融機関の756%優れている(p. 20)