ブランチレスバンキングに対する国際機関のスタンス
今回は、ブランチレスバンキングを取りあげた国際機関のレポートを紹介したいと思います。
世界銀行・国際通貨基金・国際決済銀行・経済協力開発機構が出しているものをそれぞれしめします。
- ・世界銀行 Policy Research Working Paper No.5664
- 『モバイルバンキングとファイナンシャルインクルージョン――規制のレッスン』
- ・国際通貨基金 IMF Working Paper WP/11/73
- 『ICT・ファイナンシャルインクルージョン・成長――アフリカの国々からの証拠』
- ・国際決済銀行 BIS Working Paper No.347
- 『ファイナンシャルインクルージョンのポテンシャルを引きだすことについて――「モバイル支払い」の事例』
- ・経済協力開発機構 Improving Policy Coherence
- 『モバイルバンキングをとりまく規制の問題――貧しい人々に金融サービスを届ける新たな構想が世界の金融規制システムを緊張させている』
これらのレポートに共通するキーワードは、ファイナンシャルインクルージョンと規制です。
ブランチレスバンキングを通じてどうやってファイナンシャルインクルージョンを進めていけるのか、そのためにどのようにブランチレスバンキングを取りしまればいいのかということに規制者としての国際機関の関心があるようです。
ブランチレスバンキングに対する共通認識(どんな事業なのか、何が革新的なのか、どういう事例があるのか)はすでにある程度固まってきており、ビジネスモデルの構想から実際の規制へと、議論の段階が移りつつあることが読みとれます。
ブランチレスバンキングやマイクロファイナンスに限らず、一般に金融は規制が非常に厳しい業種です。ブランチレスバンキングが詐欺やマネーロンダリングにつかわれてしまわないよう、様々に縛りをかけていくことが不可欠です。
メモの代わりに、PDFファイルに目をとおしながらふせんを立てた箇所を引用しておきます。
- モバイルバンキングに対する規制が伝統的な金融に対する規制とどのように違うのかはまだ明瞭でない*1。
- アフリカの政府はモバイルバンキングに対する課税によって歳入の増加を臨むことができる*2。