ブランチレスバンキングに対する国際機関のスタンス

今回は、ブランチレスバンキングを取りあげた国際機関のレポートを紹介したいと思います。

世界銀行国際通貨基金国際決済銀行経済協力開発機構が出しているものをそれぞれしめします。


これらのレポートに共通するキーワードは、ファイナンシャルインクルージョン規制です。

ブランチレスバンキングを通じてどうやってファイナンシャルインクルージョンを進めていけるのか、そのためにどのようにブランチレスバンキングを取りしまればいいのかということに規制者としての国際機関の関心があるようです。


ブランチレスバンキングに対する共通認識(どんな事業なのか、何が革新的なのか、どういう事例があるのか)はすでにある程度固まってきており、ビジネスモデルの構想から実際の規制へと、議論の段階が移りつつあることが読みとれます。

ブランチレスバンキングやマイクロファイナンスに限らず、一般に金融は規制が非常に厳しい業種です。ブランチレスバンキングが詐欺やマネーロンダリングにつかわれてしまわないよう、様々に縛りをかけていくことが不可欠です。


メモの代わりに、PDFファイルに目をとおしながらふせんを立てた箇所を引用しておきます。

  • モバイルバンキングに対する規制が伝統的な金融に対する規制とどのように違うのかはまだ明瞭でない*1
  • アフリカの政府はモバイルバンキングに対する課税によって歳入の増加を臨むことができる*2
  • M-PESAは運がよかった。ケニアには政府による国家的なIDカードのスキームが確立されており、顧客の本人確認をするためにそれに乗ればよかった。タンザニアなど他の国ではこううまくいかなかった*3